ストーリー

神戸洋靴店 代表:笹倉結加

 


神戸洋靴店のはじまり


 

神戸洋靴店は、まだ履けるのに廃棄されるような靴を
業者から買い取り販売する小売店としてスタートしました。

そして店頭に立ってお客様の話を伺う中で、多くの方が靴に関する悩みを持っていて、解決できずに妥協していることを知ります。

私も背が低め(153cm)なので、ある程度ヒールがあるものが好きなのですが、国内国外問わず様々なパンプスを履いてみても、
履き心地の良さとデザイン性の両方で満足できるものは見つかりませんでした。

そこで、お客様や自分自身の悩みや願望をもとに、パンプスを自社で開発することにしたのです。


そして生まれた、ぐらつかない9cmヒール

市販のパンプスを調べていると、どうやら既存の木型(靴の型)とヒールを無理に組み合わせて作られたものが多く、そのせいで隙間が生じ、
歩く時の安定感が損なわれていることが多いようでした。

そこで、ヒールにぴったり合う木型から作ることにしました。
その型をもとに、最初に完成させたのが9cmヒールパンプス【K001】です。

9cmでも日常的に履けるほどの履き心地を目指していたため、材料には手入れのしやすいピッグスエードに決めました。
水に濡れてもシミになりにくく、多少の傷は目立ちません。
その中でも特に発色が良く、
足に馴染みやすい上質な革を選びました。

何度もサンプルを作っては試着し、微調整を続けた甲斐があって、9cmもの高さを感じないほどに歩きやすく、見た目も美しいパンプスになりました。

そして、この時はOEM(他のブランド名義で製造)でのデビューでしたが、予想を超える大好評をいただくことができたのです。

理想をすべて叶える6cmヒール

9cmの次に、6cmヒール【552】を作りました。
こちらはヒールがあることを忘れるくらい歩きやすいにも関わらず、スタイルも見違えて気分が高まる、より多くの方に履いてほしいパンプスに仕上がりました。
そのためにも、以下の内容にこだわりました。

 

サイズが細かく選べる

私は自分の足のサイズは24cm〜24.5cmだと思っていました。
ですが、足を測る機会があり測ってみると実際には23cmほどだったのです。
どうやら、足の幅が広いために長さで合わせると小さく感じたり
、左右で大きさに差があるために大きいほうに合わせてしまったりして、正しいサイズを把握できていないようでした。
自身の本当の足のサイズとワイズ(足幅)を知り、それにぴったり合う靴を履いた時は、感動のあまり電車で移動するような距離を歩いたりしました。

同じ感動を皆さんに味わって欲しかったので、サイズだけでなくワイズも選べるように、左右で違うサイズもご購入いただけるようにしたいと考えました。

 

お求め安い価格設定

靴はどんなに丈夫で、しっかりと手入れしていても、全体重を支えている為、履いているうちに形が変化していきます。
形崩れした服は着ていても体に悪影響はありませんが、靴の劣化は足を痛めたり、体を歪ませることに繋がります。
そうなると、靴は消耗品と考えてもらうほうがよく、
高価にならないようにしなければなりません。

 

カラーが豊富

靴は服ほど色が多くありません。
サイズ多く、種類を増やしにくいこともあって、無難で合わせやすい黒などのベーシックなものばかり作られます。
気に入る色があったとしても、今度は合うサイズが無かったりします。
そこで、欲しいと思えるものが必ず見つかるようなカラー展開を目指しました。

 

この沢山のこだわりは、普通に販売する場合にはとても難しい内容ですが、オーダーメイドなら全て叶えられると考えました。
そして神戸洋靴店は、パンプスを受注してからお作りする、現在のスタイルになったのです。

 

オーダーメイドの難しさ

オーダーメイドは通常、時間も費用もかかってしまうものです。
そこでオーダー内容をパターン化し、なるべく簡単にご注文いただけるよう、に、なおかつ早く、お求め安い価格でお届けできるような仕組み作りをしようと考えました。

しかし実際に企画を開始してみると、多くの問題に直面しました。

製造

運賃などのコストを下げたり、小回りを良くする為にも、製造のすべてを拠点である神戸で行う必要がありました。

しかし神戸での靴の製造は大量生産が主流で、
小ロットで仕様の異なる商品を作ってくれる工場は私の知る限りではありませんでした。
ごく一部の、目標に共感を頂いた方々に、少しずつ靴の製造過程をお手伝いしていただくところから始めたのです。

見本とするサービスがないので、特に初めの頃は工場の方にもお客様にも迷惑をかけてしまう事があり、何度も心が折れそうになりました。

しかし、こういった仕組みを作り上げる事がお客様にとってはもちろん、作り手や販売する人にとっても、今まで以上に価値のある事に必ず繋がると信じ、少しずつ理想とする仕組みを作り上げて行きました。

そうして製造ラインが固まっていき、皆さんに試着していただく機会を作るため、全国の百貨店などでポップアップストアを開催するようになったのです。

 

百貨店の品質基準

百貨店は、高品質な商品をお客様に安心してお買い求めいただけるように、
しっかりとした品質基準が設けられています。
神戸の靴メーカーは、低価格のケミカルシューズを大量生産することに長けていたためか、その基準を満たせず、商品が返品されてしまうことも多くありました。
しかし、そのおかげで工程や検品基準を見直して改善していくことができ、1足ずつを百貨店の基準に見合う品質で製造できるようになったのです。

納期が間に合わない

当時はこのような気軽にオーダーメイドできる商品は珍しかったためか、予想を超える多くのご注文を頂きました。
そして実際に、仕様がすべて違う靴を1足ずつ大量に製造していこうとすると、その難しさを再確認する数々の問題に直面します。
納期に間に合わず、店舗やお客様にお叱りいただくことも、商品を1足届けるために関東に向かうこともありました。

そんな問題が起こる度に、出来る限りエラーを無くせるルールやシステム作りをしたり、一つ一つ解決していき、安定した製造ができるようになったのです。 

お客様の声をもとにアップデート


お客様のお話しを直接お伺いさせていただきたいので、私も定期的に店頭に立っていますが、靴の悩みはもちろん、「本当はパンプスを履きたい」というお気持ちもよく耳にします。
その願いを叶えるためにも、商品に対するご意見を大切にし、サービスの向上や商品開発に活かしています。

たとえば「脱げにくいようにストラップが欲しい」
「太いヒールがいい」「裏材は柔らかい方がいい」など、
お客様によって異なるニーズにもお応えできるようにオプションを選べるようにしました。

履き心地の改善はもちろん、せっかく足を運んでくださったの残念な想いをするお客様を少しでも減らすため、サイズ展開も徐々に増やしています。

 


 

【1】選択肢がない

妥協や我慢をして靴選びをしているという声がすごく多かった。もっとたくさんのお客様に靴選びを楽しんでしてもらいたいと感じた。


【2】気に入った靴があったのに廃盤

せっかく納得のいく足入れの靴を見つけたのに、同じ靴を買おうと思ってももう店頭にはなく買えなかった。店頭で販売している靴の仕入れは様々で、どこの工場で作っていてどの木型を使っているか答えられるお店は、流通の仕組み上少ない。店頭であの足入れの靴が欲しいと問い合わせてもわからないことがほとんどでがっかりされるお客様が多いと感じた。なので、神戸洋靴店では製造を自社でしたいと考えた。


嬉しいご報告

→【3】本当はパンプスが履きたい

最近はスニーカーorヒールの低かったりないものばかり履いてるが本当はヒールが履きたい。ただいろいろな理由(加齢で足が変形してきた、子供ができたから不安定なものは履けない、靴擦れで凄く嫌な思いをした、疲れやすくなった等)で市販のものがはけなかったり、履ける靴がないから履いていないだけ、という声が多かった。印象深かったのは70代の女性が告知を見てこれなら履けるかもと来店され、購入に至った。おしゃれが好きで、ミセスのデザインに気にいる物がなく今まで妥協して履いていたが、好きなデザイン・カラーが選べて凄く喜んでおられた。また10代の女性で、紐靴以外履けないという方を測定するとずっと履いていた靴が足のサイズより3cm程大き買った。甲が細かったので、前に落ちてつま先がきつく感じサイズを大きくするというのを繰り返していたようだった。甲幅の細いもので履いてみるととぴったりで、パンプスが履けるようになって服の幅も広がるとよろこんでいた。



神戸洋靴店のこれから


足入れについて

→足入れについては各デザイン今でもお客様の声や自分自身の感覚を参考に、より良くできるよう改良を重ねている。

開発にはコストもかかるが、本当に良くて長く愛される物を提供したいと思っている。

カスタムオーダー(セミオーダー?)を当たり前に

→もっとアイテムの幅を増やしたり、弊社のようなD2Cのノウハウを広めカスタムオーダーを当たり前にできるようにしていきたい。

たくさんの選択肢からストレスなく靴選びを楽しんで貰えるような環境をつくっていきたい。